2002.10 No.132 号の紙面から

□地方開催を活かした特別企画やますます充実の継続研究討議など大成功 ●1
■建築・デザイン系専門部会総会報告 ●2
□建築・デザイン系専門部会総会報告(つづき) ●3
■建築・デザイン系専門部会役員名簿/Web編集後記 ●4
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  2002
No.132



「古民家再生シンポジウム」
 2002年9月28日(土)9:30から14:00まで、岡山県北の奥津町商工会館でテーマを「古民家再生工房の活動と展開」としまして、設計者の古民家再生工房 矢吹昭良氏、施工主、大工棟梁をお招きしてシンポジウムを開催いたしました。矢吹氏を代表とするグループ「古民家再生工房」は、岡山を中心に活動し、古い民家の再生を積極的に手がけています。その活動に日本建築学会業績賞が授与されています。内容は矢吹氏を中心に、私達が警鐘している日本人と日本文化であるものづくりと伝統技能と技術の衰退に対する方法論を、ダム建設でまさに失われていくことに対して具体的に実践し取り組んだ熱意と思いを込めたお話をお聞かせいただきました。見学した施設は、茅葺きの民家・土蔵・旧財閥の邸宅という異質の3つの民家を合成し、ただ単に昔の保存施設ということではなく、利用できる新築の公共施設として見応えのあるものでした。また、単に古きものだけを大切に守り抜くということではなく、今と共に生きることによる再生・共存・保存といった感覚を非常にわかりやすく教えていただいた施設でした。
 地方開催ならではの特色を活かした企画であり、いろいろな問題提起と貴重な体験をした企画であったと思います。

「能開施設における教育訓練方法」
 2002年9月26日(木)14:50〜17:00に、研究討議がA会場で開催されました。
 実践教育研究発表会における建築・デザイン系の継続研究討議として、「養成訓練」と「社会人訓練」の実施内容や実施方法など日頃の疑問や具体的な訓練技法について議論と討議を行いました。本討議は、正に現在までのものづくりの大切さを訓練・教育の立場から紹介し、方法論の確立を目指したものになりました。貴重な時間でありましたが、気がついたらあっという間に時間がたってしまった討議でした。全国の指導員が集まる唯一の場として、また、実践教育発表会の建築・デザイン系の特徴・目玉となる企画として継承される必要性を感じました。


「建築・デザイン系の教育訓練機関紹介展」「一般講演」
 実践教育研究発表会での建築・デザイン系の特色として定着しているこの企画も、地方開催ではありましたが、多数の施設からのご参加をいただき、盛大に行なわれました。一般講演でも全国からお集まりいただいた会員の方々のご活躍をご披露いただきました。中でも新島氏、江川氏らをはじめとする「JW_CADで学ぶ建築製図」出版での教材製作秘話、山下氏におけるポスターセッションでのNHK採用の実績報告などは、今後へつながる活力になると深く歓喜いたしました。


古民家再生シンポジウム@


古民家再生シンポジウムA


江川氏


山下氏