建築・デザイン系 |
最上川舟運で栄えた商家建築 | ||||||||||||||||
2011.5 |
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山形県長井市は、江戸時代より最上川舟運による京都や大阪との交易で栄えた街です。 市内には、昔ながらの商家の町屋が点在し、当時の様子を伝えています。 丸大扇屋は、300年前から呉服商として栄えた商家で、2003年に県指定文化財となり、保存されています。 敷地内には、味噌蔵(1832年)、店舗・店蔵(1848年)、内藏(棟札不明)、母屋(1890年)、新蔵(1898年)、新座敷(1913年)の7棟が現存しており、各時代の木造建築様式が残る貴重な建物となっています。 また、敷地内には、この商家で生まれた彫刻家長沼孝三氏の作品を収蔵する長沼孝三彫塑館(1992年)が設置されております。 設計は、地域の風景・風土を尊重する建築家として著名な本間利雄氏で、蔵が並ぶ周囲の景観になじむ外観デザインになっております。 木造2階建の館内では、静寂な空気とゆったりとした時間が流れ、彫刻作品とともに精神性あふれる内部空間になっております。 隣接地には、市指定文化財の旧西置賜郡役所(1878年)があります。 現存する郡役所建築としては、全国で2番目に古く、県内で1番古いものとなっています。 これらの建物一帯は、「文教の杜」という名称で整備され、歴史資料として保存するだけでなく積極的に活用する施設になっておりますので、ぜひお立ち寄り下さい。
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