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この本は,こ
れから実践技術者になろうと考えている人のために、当然、身につけておくべき数学の基本的知識、能力について、その細目を検討し編集したものです。実践技
術者を目指す方は、これから、工業系短大、大学、専門学校あるいは、エンジニアの職場で、専門技術系数学や数学を応用した教科目、例等に対面する必要に迫
られることと思います。技術者を目指す者として「数学は嫌い」だからと避けて通ることは出来ません。
しかしながら、「よし、やるぞ」と決心しただけでは、何事も一朝一夕にはいきません。現在まで学んだ数学の知識を整理し、不足分を補い、基礎を確固たるものにしておくことが皆さんにとって飛躍する近道です。
(一社)実践教育訓練研究協会では、協会設立以来、実践技術者のための教材開発を進めており数学に於いても協会編として数巻出版してきました。そこで、今
回は、基礎学力の向上を如何に図るべきかの課題を正面に据え、そのためには具体的な目標レベルを明らかにすることとして本書編纂に取り組みました。
「実践技術者のための基礎数学」シリーズは「基礎編」「微分・積分編」「線形代数編」の3部構成となっています。今まで数学が苦手だった方を含め、確実に
問題を解くことができる力を向上させることに主眼をおいております。これら3部を通じて、目標およびレベルを、数検の2級ないし準1級においてあり、ひと
つひとつとステップアップ出来るよう構成しています。
本書の構成は、各章に分かれており、各章は講より構成されています。各講は、大旨1頁で完結し、最初に学ぶべき要点が示されています。この後に続き、そ
の要点の例題が配置され、さらに練習問題としての「問」が配置されています。順番に問題を解いていけば省末問題も解けるようになっています。また、逆に自
分の不足分を発見するには、週末問題をまず手懸け、その中から不足な部分の頁にもどり確認するという利用のしかたもできます。最後にはチャレンジ問題が配
置されており、このことにより自分の数学のレベルを確認することができます。
本書がより多くの教育機関および技術者の現場で基礎科目の教科書として、あるいは専門科目の副読本として利用されることを希求いたします。
最後に本書をまとめるにあたり数多くの成書を参考にさせていただきました。これらの著書の方々にこの場をかりてお礼申し上げます。また、内容、表現など
で不十分な点も多々あろうかと思われますが、不備な点は読者各位のご批判、ご教示をいただき改訂していきたいと考えます。
平成22年3月
(社)実践教育訓練研究協会
数学教材開発委員会