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JISSEN NEWS 2007.秋No.157


シンポジウムU(実装技術研究分科会報告)
電磁波の可視化技術の開発とその活用− EMC対策の現場から −


  実装技術研究分科会が発足して2年目を迎えました。電子技術の分野において小型化・高周波化には目を見張るものがあります。この中、実装サイトではいかに高密度に実装し、高信頼性を保証するかという問題に直面し、その実装形態はますます複雑多様化しつつあります。我々、職業能力開発施設の電子・情報関連指導員にとってもこのような技術動向に常にアンテナを張っておく必要があります。
  今回、広範な技術分野の中でノイズ対策に焦点を当て、現在この分野でご活躍されている栃木県産業技術センター電子応用研究室長の黒内利明氏を迎え貴重なお話を伺う場を設定いたしました。黒内氏は平成元年に電磁波障害(EMC)に関する研究に着手し基板の電磁放射現象を微小領域でとらえ、基板の実画像と合成する手法を考案し、「ノイズ可視化システム」の開発に成功されました。平成12年に日本の科学技術の発展に寄与したとして文部科学大臣賞・科学技術功労者顕彰を最年少で受賞されています。
  本講演では、電磁波可視化技術の概要や当該ツールを用いた対策方法、ノイズ対策の今昔、大型電波暗室の役目、ノイズ測定の効率化、EMC問題に対する公設機関の役割と教育現場への提案などについて具体的な事例をもとに分かりやすく話され、我々にとって大変有意義な講演となりました。

                                             (北陸能開大 滝本 貢悦)




講演される黒内氏