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JISSEN NEWS 2007.秋No.157

電気・電子・情報系


2007実践教育研究発表会 電気・電子・情報系
シンポジウムT(組込みシステム分科会報告)


2007年9月27日、午後1時よりB会場にて電気・電子・情報系分科会「組込みシステム分科会」の発足記念としてシンポジウムが行われました。本シンポジウムは、一般講演セッションと特別講演に分かれており、まず、一般講演セッションとして3件の発表が行われました。1番目の講演は、東北職業能力開発大学校の仲谷先生による「ZigBeeモジュールを用いた組込みシステム教材の開発」でした。今話題の低消費電力無線ネットワークZigBeeの技術的な内容とマイコン、FPGAを使用した、音声の符号化、復号化の教材が示され、無線ネットワークがこれからの組込み技術における通信方法の主流になりつつあることが示唆される発表でした。続いて中国能開大で行われている産学協同研究である小型汎用高速高精度ディジタルオシロスコープの開発について企業側から(有)MIZOUE PROJECT JAPANの溝上浩司氏が企業の設立から共同研究における企業の立場について講演され、また学校側から中国職業能力開発大学校の平島隆洋先生により研究内容の技術的内容について発表がなされました。なかなか聞けない内情なども内容に盛り込んで頂き大変興味深い講演でした。そしてそれぞれ活発な質疑討論が行われました。特別講演は、ETEC(組込みソフトウエア技術者試験)事務局の近森満氏により「ETECの企業導入例」について講演を頂きました。組込み技術は、複合分野で技術要素が多方面に渡っていることから、なかなか技術者の評価が定まらないと言われていました。この試験は、2005年にまとめられた組込み標準スキルに則った形で行われているとのことで、標準スキルとの対比で現在行われている試験について説明を頂きました。30分という短い時間ではありましたが、非常にまとまったご講演であり、今後、組込み関連の企業を希望する学生、受講生の指標となる可能性もあり、知っておく価値が十分にあった内容でした。

 (中国能開大 大久保 欣哉)

   
          講演される仲谷氏                    講演される近森氏