●2● JISSEN NEWS 2003.2 No.136
 
以前より「伝統技能の技能伝承」についての企画を考えていましたが、本号で、そのいくつかを紹介します。
伝統技能およびその製品は、「残すべき伝承的技能」という言葉から逆説的に考えると、残そうとしなければ、新しい技術に押されて自然消滅してしまうものと推察できます。動植物などが自然界で外来種に負けて滅び行くのと近いものがあります。実際に携わっている方々がこれを読まれると心外かもしれませんが・・・。
 実践ニュースでこの企画をしようとしたきっかけは、何年か前に息子の小学生の社会科の教科書で見つけた単元のひとつで、歴史的背景(藩の保護)と地域性(原材料の産出等)とを合わせた解説を見たときです。またHP等を見ると、すべてではありませんが、それぞれに教育機関(のようなもの)があるというところに、興味を持ちました。
 そして、各地域の会員の方々に伝統技能で展示などをしているところを調べてくださいと、呼びかけたのです。また、HPをUPされている協同組合や企業(個人が多いようです)にリンク等をお願いしました。今回はその中のいくつかをご紹介します。
その前に、このことに関する法律(伝統的工芸品産業の振興に関する法律:昭和49年公布)がありますので、見ておいてください。日本の伝統的工芸品館http://www.kougei.or.jp/に詳細が出ています。

<秋田県大館の曲げわっぱ>
 大館曲ワッパ協同組合と秋田職業能力開発短期大学校が共同研究した作品が、木工作品コンテスト(日本木工機械協同組合主催)で林野庁長官賞と日刊工業新聞社賞に選ばれました。このことは秋田短大校の先生がポリテックビジョンで報告されたのでご存知かと思います。本来の曲げわっぱは、わっぱめし等のお弁当箱のイメージでしたが、そのイメージを一新するようなデザインが高く評価されたようです。
 大館曲ワッパ協同組合のHP
http://www.chuokai-akita.or.jp/magewappa/に、林野庁長官賞に輝いた照明器具(すき間から漏れる光が壁面や天井に映し出され神秘的な空間を演出したもの)や日刊工業新聞社賞に選ばれた銘々皿、菓子皿、絵手紙箱(菓子皿は曲げの部分を側面だけでなく、平面部にも用い、すべての部分が曲がっていることで曲げ物であることを強調しているもの)が見ることができます。
 また、このHPでは天然秋田杉の原木から曲げわっぱができるまでを解説しておりますのでごらんになってください。

曲げわっぱの作品

<茨城県笠間の笠間焼>
 笠間焼は江戸時代の中期に箱田(現在は笠間市内)の職人が信楽焼の陶工の指導で窯を焼いたのが始まりとされています。笠間焼が生まれてから昭和20年代頃までは、瓶や摺鉢等の台所用品が多かったのですが、現在では食器等の食卓用品や花瓶や置物等が作られるようになりました。
 笠間焼き協同組合のHP http://www.kasamayaki.or.jp/で、原土の採取から、できあがるまでを動画を含めた説明がされています。また、茨城県工業技術センター窯業指導所http://www.kougise.pref.ibaraki.jpには、笠間焼き後継者育成研修というものがあり、1年(成形T科とU科)または6ヶ月(釉薬T科とU科)のコースが設置
されています。また、3日からの短期研修もあるようです。 
 結城紬についても、1年かけてすこしづつ学ぶコースも繊維工業指導所に用意されています。研修には4点(帯2本,着尺地2反)の機織り研修が含まれているそうです。

笠間焼きのコーヒーカップ