建築・デザイン系

第13回 木造研究部会

 

1. 開催概要

 平成21年7月25日〜26日 愛媛県松山市、内子町、大洲市において「第13回 木造研究部会」が開催されました。愛媛センター居住系の皆さんはじめ全国(東京、関西、九州)より10名の参加がありました。


2. 地元工務店の現場見学
 1日目は地元の工務店の現場見学として、松山市の西渕工務店さんの施工現場を見学させていただきました。ここでは地産地消の家づくりを実践されています。
写真-1 西渕社長による説明 写真-2 見学した住宅
写真-3 土壁の施工中の内部 写真-4 集合写真

 地元の木材を、燻煙(くんえん)して乾燥させる方法をとられており、木材の表面が天然乾燥の材と同じくらい艶があったことが印象的でした。


3. 内子町の街並みと内子座
 その後松山市より南下し歴史と伝統のある内子町に移動して 内子座、及び白壁のまち並みを見学しました。
写真-5 内子町まちなみ 写真-6 江戸期の町屋内部(1793)
 内子座は、大正期に建てられた歌舞伎劇場で趣のある木造建物です。昭和60年に復元されこの町の「宝」となっています。
写真-7 内子座前にて 写真-8 内子座内部

 まち並みは漆喰と木で構成され、その中心には木蝋(もくろう)で財をなした豪商 上芳我家が位置し、栄えた当時を垣間見ることができました。また、この町には今も木蝋の蝋燭職人として現役で仕事をしている方もあり、たいへん趣深い町でした。

写真-9 和蝋燭(創業二百年) 写真-10 漆喰彫刻

 1日目を終え内子町の民宿に宿をとり、10名共々楽しい懇親の時間をもてたことは言うまでもありません。

 


4. 大洲城見学
 2日目は、いよいよ伊予の小京都大洲の大洲城見学です。鎌倉末期の築城といわれるこの城は、平成16年に木造4層4階で完全復元がなされ、第1回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞受賞などでも脚光を浴びました。
写真-11 大洲城外観 写真-12 大洲城模型
 説明をいただいた市役所の方は、建設当時のご担当者でもあり、面白いお話をいっぱい語っていただけ、実践研ならではの充実感がありました。梁は木曾檜、柱材は地元材とのことでしたが、木材をがっちり使って構成された内部空間は迫力があります。 
写真-13 説明を受ける実践会員 写真-14 檜で構成された内部空間
写真-15 一次固有周期は0.5秒(短辺方向) 写真-16 天守閣前にて記念撮影
 写真-15は許可を得て短辺方向を人力で加力しているところですが、揺れを感じることができました。後ほど確認すると増田建築構造事務所(代表:増田一眞)にて測定の結果、一次固有周期0.5秒、二次固有周期0.2秒、減衰定数2.5%とのことです。

5. 数寄屋建築の臥龍山荘を見学
 今回の行程の最後は桂離宮の様式を取り入れたといわれる数寄屋建築の臥龍山荘を見学し、見晴らしの良い茶室で抹茶を頂き、この研究会の締めくくりとなりました。
写真-17 臥龍山荘 写真-18 臥龍山荘茶室にて
 今回の木造研究会は、普段なかなか足を運ぶことができない愛媛県の宝を見学することができたと思います。建築に興味のある人が集まり、その分野のプロにご説明いただき、またそのことについて意見交換のできるこのような機会を大切にしたいと思います。皆様の次の機会のご参加をお待ちしています。

 最後に、本企画の段取りでお世話になりました愛媛センター居住系の皆様に御礼申し上げます。

 

文責 近畿職業能力開発大学校 田島 幹夫

 

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