建築・デザイン系 |
甲子園ホテル | ||||||||||||||||
2011.7 |
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甲子園ホテルは、1930年、関西屈指のリゾートホテルとして、西宮市の武庫川沿いに開業しました。 設計はフランク・ロイド・ライトの愛弟子遠藤新です。
ライトの意匠を継承する独創的な名建築で、屋根には淡路産の緑の瓦、日華石と素焼きタイルの壁、ホールの光天井に市松格子の障子、シンボルの打出の小槌のオーナメントなど、洋式建築に巧みに「和」の要素が取り入れられ、華麗でモダンな姿は「東の帝国ホテル、西の甲子園ホテル」と並び称されたそうです。
ホテルのあらゆるところに用いられた打出の小槌のモチーフは、振れば何でも願いがかなうという縁起物というだけでなく、地元打出小槌町という民話の伝承地に由来するものです。
太平洋戦争の激化によりホテルの営業としては14年しか営業していませんが、皇族、大臣をはじめ、文化人や海外の要人が宿泊し大リーガーのベーブ・ルースらも利用したそうです。 その後、海軍病院・米軍の将校宿舎を経て、現在は私の中3の娘も通う武庫川学院の所有になり、武庫川女子大学の建築学科の製図室になっています。
JR甲子園口近くにあるライト洋菓子店は、初代が甲子園ホテルの製菓長をされていた方で現在は3代目が引き継がれています。店の自慢はチョコレートをふんだんに使った「ザッハトルテ」で高級ホテルの味と品格を今に伝えています。 |