前回(第5回)に引き続き愛知県犬山市からの話題です。 ● 城下町の町並み景観
愛知県犬山市は、2009年にいわゆる「歴史まちづくり法」に基づいた「歴史的風致維持向上計画」が認定された。 前回紹介した犬山城、茶室「如庵」の国宝のほか、有形、無形の文化財も多い。
犬山城の南にある「本町通り」は、「歴史的風致維持向上計画」により古い城下町の佇まいを残している。
|
本町通りから犬山城(中央の小高い山頂)を望む |
観光客相手の商店も確かに多いが、犬山城からこの通りをゆっくりと南へ下っていくと通り過ぎるだけではもったいない見所がいくつもある。
犬山城入り口のすぐ近くに、あまり目立たない店構えだが「甲冑工房」なるものがある。 「趣味人」の集まる場所なので製作された甲冑が販売されているわけではないが、休日には製作風景の見学や甲冑の試着も行なえる。
● 「モノづくりの原点」が展示
「甲冑工房」からさらに少し南に下ると、日本のロボット産業の原点ともいわれる「茶運び人形」に代表される「からくり人形」の数々が展示されている「からくり人形展示館」がある。
館内に再現された工房では、9代目玉屋庄兵衛氏によるからくり人形細工の実演公演や、からくり人形の操作実演も見られる。
|
|
「からくり人形展示館」入口 |
「からくり人形展示館」内に再現された玉屋家の工房 |
取材をした当日、近く祭りでもあるのか、中学生たちが「山車」のからくり人形の操作指導を受けていた。
|
からくり人形の操作指導を受ける中学生 |
● 旧磯辺邸住宅
江戸時代から呉服商を営んでいたが、太平洋戦争後、製茶販売業に転じ、その後本拠地移転によって商品倉庫としか使われなくなった磯部家の住宅を、2004年に犬山市が購入し、復元したもの。 棟高9mにも及ぶ「むくり屋根」が特徴の町家住宅。
|
「むくり屋根」が特徴的な旧磯部家住宅 |
京都、高山ほか、各地でも見られる、間口が狭く、奥行きの深い、いわゆる「うなぎの寝床」の敷地に立つ、商家住宅の典型的な佇まいを持っている。
単なる展示だけではなく、敷地の最奥にある土蔵など、いくつかの部屋は、町家文化の伝承、まちづくり団体などの活動支援や城下町の活性化のために利用(有料)されている(見学は無料)。
磯部邸以外の町家住宅のいくつかも、今後整備されていくとのこと。
前回の QUIZ のこたえ:
織田家ゆかりのこの茶室では、「茶席では絶対に飾ってはならない」という花があるが、その花とは何の花?
・・・答えは「桔梗」です。
織田信長を滅ぼした明智光秀の家紋が「桔梗」だったからです。
参考サイト:
犬山観光情報 http://inuyama.gr.jp/index.php
|