●5● JISSEN NEWS 2003.秋 No.141




―環境型ウッドセラミックスの製造技術とその応用―
青森県工業技術総合センター 環境技術研究部長 岡部敏弘氏

 講演に先だち、開催校である関東職業能力開発大学校校長 久保先生から講師の紹介がありました。
 「岡部敏弘氏は、現在青森県工業総合研究センターに所属し、環境技術研究部長をなされています。先生は、福岡県の生まれで、奇しくも昭和29年の1月1日生まれです。先生は、昭和54年に職業訓練大学校の木材加工科を卒業し、その後東京農工大学大学院の農学研究科に入学され、昭和56年に修了、昭和57年に青森県工業試験所に就職されました。平成7年には東京大学で『ウッドセラミックスの開発』により工学博士を取得されています。さらに平成13年には東京工業大学の応用セラミックス研究所の客員教授を、平成14年には、弘前大学で大学院の地域社会研究科で非常勤講師をなされ、今年4月から現在の職に就いております。」

<講演内容>
 循環型社会は、できる限り地球資源を大切に使い、ゴミを出さないように。さらに出したゴミはできる限り再利用しようとする社会である。
減量化(Reduce)、再使用化(Reuse)、再資源化(Recycle)は、これは我々がやっていかなければならないマテリアルリサイクル(新しい製品の原材料として使用する)やサーマルリサイクル(燃やした際に出る熱をエネルギーとして利用する)の研究や開発である。このような社会の流れの中で、先生はウッドセラミックスのご研究をベースに、地球環境に優しい製品開発を多数てがけられた。
 ウッドセラミックスでは、特徴、製造方法、構造、力学特性、熱的特性及びガス吸着特性、電磁気的特性、遠赤外線特性等について分かりやすく述べられ、応用としてこれらのウッドセラミックスの特性を生かした製品開発を行い、漆塗りから燃料電池まで多岐にわたり実践された内容で我々にとって大変参考になる講演であった。尚、詳細は実践ジャーナル誌に掲載されます。


講演される岡部氏





講演を聴講する会員
            (東北能開大校 成田敏明)