●3● JISSEN NEWS 2003.4 No.138
 栃木県は日本のほぼ真ん中、南部は首都圏、北部には大自然が広がる位置にあります。東は茨城県、西は群馬県、南は、埼玉県と群馬県、北は福島県に接する内陸県で、面積は全国で20番目で、関東地方では一番広い県です。
 中央部には広大な平野、北西部の山地には豊かな自然が広がっています。今回、実践教育研究発表会関東大会が開催される小山市はその南部に位置します。

 “栃木がいちばん”を4つ紹介します。
 @苺(いちご)
 大正時代からイチゴ作りが行われています。甘酸っぱい「女峰」(写真)と甘くて粒の大きい「とちおとめ」が有名です。季節は1月から5月までなので、その時期にも来てください。
 A干瓢(かんぴょう)
 日本で食べられている干瓢のほとんどが栃木県産です。栃木県南部の上三川、石橋、南河内、国分寺、壬生を含む地域が今日かんぴょうの一大生産地となっています。約280年前の正徳二(1712)年、近江の国(滋賀県)の水口から下野の国(栃木県)の壬生へと領地換えとなった藩主鳥居忠英が「かんぴょうの種」を水口から取り寄せ、壬生領内でつくらせたのが始まりと言い伝えられています。
 B日光の杉並木
 約13,000本からなる杉並木は江戸時代に植えられたもので、その長さは37kmもあり、世界一長い並木道としてギネスブックにも認定されています。現在は杉の高齢化や街道を走る自動車の排気ガスが問題になっていて、杉並木を守ろうという保護運動も行われています。
 C足利学校(あしかが がっこう)
 日本で一番最初に作られた総合大学(儒学を基本とした)で、平安時代の末から鎌倉時代のはじめごろ建てられたという説が有力です。
 世界遺産も忘れてはいけません。国宝や重要文化財の建物が103棟もある日光の二社一寺(日光東照宮、日光山輪王寺、日光二荒山神社)は、その歴史や芸術的価値から、世界の人々の共通の財産として国際的に承認され、大切に保護されています。
参考:世界遺産 日光の社寺 http://www.city.nikko.tochigi.jp/heritage/japanese/w_top.htm

 “栃木の有名人”を5人紹介します。
那須与一: 下野の国(栃木県大田原市)の豪族の子として生まれ、源平合戦で扇の的を射抜いた話で有名。
足利尊氏: 鎌倉幕府を滅ぼして、室町幕府を京都に開き、教養豊かで、信仰心の厚い武将。
田中正造: 現在の佐野市の名家に生まれ、明治時代に渡良瀬川沿岸の鉱毒問題解決のために一生をささげ、公害問題を取り上げた最初の衆議院議員。群馬県桐生市、太田市、栃木県足利市、佐野市、藤岡町などの農民に敬愛され未だに地元の英雄として多くの市民に尊敬されている偉人です。
山本有三: 現在の栃木市に生まれ、「路傍の石」(自伝的小説:自分を生かし、自分のために生きようとする少年を描いています)「女の一生」などを書いた小説家。山本有三記念館が栃木駅(両毛・東武)より徒歩15分にあります。小泉総理が、所信表明で切々と訴えたので「米百俵」も有名。
濱田庄司: 学生時代に益子(ましこ)焼きに出会い、伝統的な技法を用いて、芸術品とし益子焼の名を高めた陶芸家。柳宗悦が「用の美」に着目して提唱した「民芸運動」を推進した陶芸家です。益子の土、釉薬を基本に民芸の心を表す作品を次々生み出しました。健やかで堅実な作風は、国内外で高い評価を得ました。1955年には、第1回重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定され、20世紀の日本陶芸界を代表する1人になりました。