2005実践教育研究発表会 長野大会

特別講演/各系専門部会企画

特別講演

大会2日目、9月29日(木曜日)午後に、特別講演会を開催します。今回は、長野県須坂市で日本刀を制作しておられる、 刀匠 古川 清行氏の講演を予定しています。

「日本刀からみた伝統技能」古川清行氏

◆日時:9月29日(木) 15:30〜17:00

◆場所:長野県工科短期大学校 講堂(本館棟1階)

◆講師  古川 清行 氏
人間国宝 故宮入行平と宮入一門会所属
昭和23年 生まれ / 昭和47年 宮入清宗師に入門  / 昭和53年 作刀承認
昭和53年 第14回新作名刀展に初出品 / 昭和56年 独立
以後、現在に至るまで連続入賞 (努力賞、優秀賞、寒山賞、薫山賞、日刀保会長賞、日刀保名誉会長賞、等)

http://tetsu.town.sakaki.nagano.jp/yukihira/kiyoyuki.html

◆概要:
 古来より、日本刀は実践の道具としてだけでなく、武士の「魂」といった象徴的な物として又、時には一国にも変わる財産として、様々な役割を果たしてきた。

戦争の度にたくさんの日本刀が失われたが、それでも現在日本にはざっと三百万振りの日本刀が存在する。砂鉄をたたらという炉で精錬するところから始まる日本刀の製作は、当時の最先端工業技術であったと思われる。

日本刀の世界では鎌倉時代に作られた刀が最高峰に置かれているが、電気、その他科学文明のない時代に、多数の良質な工業品が製作された事実には驚かされる。と共に潜在的に日本が持つ技能、工業力は高く評価されるべきである。

現在、製鉄、刀剣鍛造、研磨等、日本刀に関わる職人技、技能が徒弟制によって連綿として受けつがれている。個人の技術という形で伝統の継承を行っている限りにおいては、徒弟制という型が一番なのだろうか。

日本刀そのものの知識を若干頭に入れていただき、製作工程や鍛錬場の装置などを説明すると共に、現代の刀鍛冶や弟子の生活、日本刀関連の職人達、刀に関する法律等を紹介していきたい。

機械系専門部会 = 企業見学・講演会

「オルガン針株式会社 企業見学と講演」

◆会場:オルガン針 株式会社 本社:長野県上田市前山1番地
        本社、西塩田工場、技術開発センター、

◆日時:2005年9月30日(金) 9:20〜11:40

◆スケジュール:
   9:20     (工科短期大学校から技術開発センターへ移動※)
   9:30   技術開発センターの見学
   9:50   会社概要講演
              講師 オルガン針株式会社 執行役員 三井好和氏
  10:20    (本社・西塩田工場へ移動※)
  10:40   本社・西塩田工場の見学
  11:20    (工科短期大学校へ移動※)
※ 会員各位の自家用車相乗りにて移動を頂きます様、ご協力をお願い申し上げます。案内地図は当日配布致します。

◆ 概要:信州上田を本拠地として、優れた技術力・競争力と豊かなオリジナリティで世界を舞台に活躍されている、オルガン針株式会社様の見学を企画致しました。企業人の方々との交流を通じて、実践技術者育成活動のさらなる推進に繋がるヒントを得たいと思います。

◆企業紹介:世界のあらゆる場所で愛され親しまれている"オルガンを弾く婦人"のマーク。このマークでミシン針が発売されたのは昭和14年のことでした。以来、世紀を超えて受け継がれた先進の技術は、家庭用・工業用の各種ミシン針からメリヤス針、フェルト針へと広がり、快適な暮らしに欠くことのできないブランドとして繊維・ファッションをはじめとする産業界で高い信頼をいただいております。
 当社とユーザーの皆さまを結ぶ販売・サービスネットワークは、国内・海外に置かれた営業拠点と販売店網を通して世界の隅々までグローバルに展開されています。お客様のニーズをきめ細かく受けとめ、商品開発や技術開発に反映させることにより、さらにすぐれた製品を創り、お届けできるよう積極的な販売・サービス活動を推し進めています。
 おかげさまで国内シェア80%、世界においても15%のシェアを獲得。これからもオルガン針は、卓越した品質と機能を伝え続けます。

電気・電子・情報系専門部会 = 企業見学・講演

日置電機株式会社 企業見学と講演」

◆見学企業、会場: 日置電機株式会社 長野県上田市小泉81
TEL:0268-28-0555  URL:http://www.hioki.co.jp/ (お車で直接お越しの方は、ホームページの地図を参照願います。)

◆日時:2005年9月29日(木)9:10 〜11:10

◆スケジュール:        9:10 あいさつ、会社紹介
   9:30 工場見学(30分)
  10:00 休憩
  10:05 新製品紹介講演(3テーマ、質疑応答含む)
        司会 奈須野 裕(東北職業能力開発大学校) 計測器用有機LEDパネルの開発
                         開発部   原野 正幸 氏
           特定小電力無線を用いた小型データロガーによる計測システム
                        第5研究室 斉藤 千春 氏
           レコーダ新世代!ロガー&オシロ開発
                         第1研究室 増田 耕一 氏
        まとめ 工藤 光昭(秋田職業能力開発短期大学校)
  11:10 終了

◆会場までの交通手段:
マイクロバスで、長野県工科短期大学(8:50)を出発し、 別所線大学前駅(8:55)を経由し、会場に移動します。 終了後、マイクロバスで長野県工科短期大学校に移動します。
 * 上田交通別所線  上田駅発 8:37  大学前着 8:51

建築・デザイン系専門部会 = シンポジウム

「伝統的木造建築物の耐震性向上方法」

◆日時:2005年9月28日(水) 14:00〜17:00

◆場所:長野県工科短期大学校 E会場(機械システム棟3階342室)

◆概要:
 伝統的木造建築物は、社寺建築と民家に大きく分類され、社寺建築においては、太径の柱、鴨居などの耐震要素により、民家においては、土壁や鴨居、足固めなどの耐震要素により耐震性能を発揮しています。しかし、仕口をはじめとする接合部の評価は、耐力壁を耐震要素とする在来軸組工法と比べると、検討しなければならない要素が多くあり、難しい現状にあります。

兵庫県南部地震、新潟県中越地震では、伝統的木造建築物においても被害が見られ、耐震補強を進めるための、評価方法の検討の必要性が高まっていました。2004年7月、日本防災協会刊の「木造住宅の耐震診断と補強方法」が改訂され、その内容に伝統的工法の耐震性能評価が新しく追加されています。

 今回のシンポジウムにおいては、伝統的軸組工法の耐震性能評価方法がどのような内容と特徴をもっているのか。また、現場、特に地域的にどのように対応されているかを、診断の規準に携わられた五十田先生と現場で対応されている技術者のお話を聞き、今後の伝統的工法住宅の耐震診断と補強方法の適用性について検討していきます。

1.講演
  木質構造の耐震性向上        五十田 博氏(信州大学)
  木材加工と大工技術について     青木 俊治氏(青木屋)村田 静男氏(村田工務店)
  伝統構法の家づくりを手がける    清水 国寿氏(しみず建築工房)

2.パネルディスカッション
  五十田 博氏(信州大学) / 三浦 保男氏(三浦創建) / 村田 静男氏(村田工務店) / 青木 俊治氏(青木屋) / 清水 国寿氏(しみず建築工房) / 藤村 悦生氏(近畿職業能力開発大学校) / 平野 直樹氏(東北職業能力開発大学校) 

3.まとめ
 杉本 誠一氏(近畿職業能力開発大学校)

司 会: 近畿職業能力開発大学校 藤村 悦生氏

建築・デザイン系専門部会 = 見学会

「第10回 建築系ひとづくりフォーラム」 信州の教育訓練現場を訪ねて
〜松本技術専門校と伝統木構法大工育成塾を訪問〜

◆日時:2005年9月30日(金) 11時〜17時

◆会場 :長野県松本技術専門校(松本市)、(有)三浦創建(塩尻市)

◆概要:

建築系ひとづくりフォーラムは、社会や産業が大きく激変する中、新しい時代に対応した建築教育のあり方や人材育成の方向性を探り、そのノウハウを研究することを目的に、1999年から活動が開始されました。 この集いには、全国から多様な教育訓練関係者、企業、専門家、市民、学生など多士済々な方々が参集され、新たな出会いと討議を重ねています。制度の垣根を越えたこのような自由な交流機会は少ないため、各界から大きな期待が寄せられています。

今回は、発表会開催地の信州地域にスポットを当て、地元ニーズに応えた人材育成に取り組む長野県松本技術専門校建築技術科及び環境システム科と、新伝統木構法に取り組み大工育成塾として塾生を育成しておられる(有)三浦創建を訪問し交流討議を行います。

なお本企画は、28日の系シンポジウムと連動した伝統木構法をテーマとした内容になっておりますので、会員内外の多くの皆さんの参加をお待ちしております。

◆行動予定:

9月30日(金)
12:30 松本駅集合
13:00 松本技術専門校訪問
14:30 塩尻に移動
15:00 (有)三浦創建訪問:・新伝統木構法現場、・下小屋、大工育成塾見学
17:00 上田に移動
19:00 懇親会、宿泊(詳細は後日連絡)

10月1日(土)
午 前  信州の鎌倉 塩田平見学
・安楽寺八角三重塔(国宝)・常楽寺石造多宝塔(重文)・前山寺三重塔(重文)・中禅寺薬師堂(重文)他
昼 食  解散

◆企画:建築・デザイン系専門部会 教育訓練研究分科会 担当:江川

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