建築・デザイン系 |
このコーナーでは建築・デザインの各分野において、教科書などにはあまり掲載されていない雑学的な話題を集めていきます。受講者が授業内容に飽いてしまったときなど授業の合間に使ってください。 |
コンセントの差込口は左右で大きさが違う | 建築計画/建築設備/電気設備 |
コンセントの穴(刃受け)の長さは、向かって右側は7ミリ、左側は8.7ミリとなっている。左側はアース(接地)されている。工事などのとき、アースされているほうに触れても感電しない。 |
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東日本(50Hz)と西日本(60Hz)とで交流電流の周波数が違うのはなぜか | 建築計画/建築設備/電気設備 |
明治29年から30年にかけて東京電灯会社がドイツのアルゲマイネ電気社から50Hzの交流発電機を、同じ頃大阪電灯会社はアメリカのゼネラルエレクトリック社から60Hzの交流発電機を導入した。 |
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゚C(摂氏温度)と゚F(華氏温度) | 建築計画/環境工学/温熱 |
゚C(摂氏温度)はスウェーデンの天文学者アンデルス・セルシウス(Anders Celsius, 1701年11月27日 - 1744年4月25日)が1742年に考案したものに基づいている。「゚C」の「C」は「Celsius」の「C」 「摂氏」「華氏」は、それぞれ中国語における音訳の「摂爾修」「華倫海」から来ている。 換算方法は、C=(5/9)(F-32)、F=(9/5)C+32=1.8C+32 |
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白い傘、黒い傘、どちらが涼しい? | 建築計画/環境工学/日照・日射 |
白い傘は、長波長の赤外線やその付近の可視光線を透過する上、熱くなった地面からの放射熱も傘の布で反射させて頭を温める。黒い傘は、上からの日光も地面からの放射熱もほとんど吸収してしまうので、傘の布の温度は高くなるが、その放射熱は頭の位置あたりでは大して影響はない。 |
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木材で赤身と白太が明確になっているものを「源平柄」というのはなぜか | 建築構造/一般構造/木造 |
源氏と平氏が覇権を争っている時、双方の旗印の色が、源氏が白、平氏が赤だったところからきている。運動会など紅白に分かれて競技をするのも同じ由来。 | |
シングルレバー、水を出すとき、上げる?下げる? | 建築計画/建築設備/給水設備 |
シングルレバー水栓で、出水時、レバーを上げるか、下げるか。
当初、衛生設備機器メーカー「T社」では、出水、止水のイメージに沿って「出水は下げる、止水は上げる」となっていた。ライバルと言われる「I社」では商品の差別化からか「出水は上げる、止水は下げる」とし、一時期マーケットでは両方式が混在した形になった。 1995年の阪神淡路大震災の折、「T社」方式のシングルレバー水栓の直上から物が落ちて、レバーを押し下げ、水が出たままになってしまったことから、現在はJIS規格により、「出水は上げる、止水は下げる」に統一された。 |
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男子たる者のマナー | 建築計画/建築設備/衛生設備 |
スタンド型和風小便器を別名「朝顔」ともいう。そこで男子たる者のマナーとして
「朝顔の 外にこぼすな 松茸の露」
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「鴨居」の「鴨」と鳥の「鴨」の関連は? | 建築構造/一般構造/木造 |
当て字(という説が有力) 「かもい」という呼び方も「かまえ(構)」が訛ったもの(?) |
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「がんぶり(瓦)」の「雁振り」と鳥の「雁」との関連は? | 建築構造/一般構造/木造 |
当て字(と思われる) 「がんぶり」という呼び方も、上からかぶせる「かんむり(冠)」が訛ったもの(?) |
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枘(ほぞ)と臍(ほぞ) | 建築構造/一般構造/木造 |
「ほぞを噛む(すでにどうにもならなくなったことを悔やむこと)」の「ほぞ」は「臍(=へそ)」のこと。 木材の接合部で使われる「ほぞ(枘)」は「臍」と同じ語源で「突起」を指す(古代人は「でべそ」だった?)。 また「枘」は男性器の異名でもある。 「夜鍋には大工世継の枘を入れ(=夜の仕事では、大工は世継ぎを生むために男性器を(女性器に)差し込む)・・・柳多留」 |
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「けらば」は漢字で何と書く? | 建築構造/一般構造/木造 |
「螻羽」と書く。 「螻」は「オケラ」という俗称で呼ばれている昆虫で、軒の短いことを「オケラ」の前羽が後羽より小さい様に例えられている。「桁端(けたば)」とも。 |
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「妻面」「妻側」になぜ「妻」の字が使われる? | 建築構造/一般構造/木造 |
「つま」は「すべての物の端部=端(つま)、褄(つま)」のことで、建築では棟との直角面を指す。従って当て字の可能性が高い。 棟と平行なものは「平(ひら)」 ちなみに「刺身のツマ」では「夫(つま)」と同源で、この場合、「妻」も「配偶者」のこと。 「主となるもの(=刺身)に添えるもの」の意味。 |
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配管材料の「VU」の「U」は? | 建築計画/建築設備/給排水設備 |
主に給水配管に使われる一般用硬質塩化ビニル管は「VP(Vinyl Pipe)」の頭文字をとったものだが、排水配管に使われる同じ低圧用硬質塩化ビニル管では「VU」と称する。 管材の厚みのことを「肉厚(にくあつ)」というが、「VU」管ではその肉厚が一般用に比べて薄い(100AまではVP管の約1/2)。管の肉厚が「薄い(=ローマ字で「usui」)」の「U」を当てている、というのが最有力説。 | |
長押(内法長押)の断面はなぜ台形? | 建築計画/一般構造/木造 |
長押の本来の目的は、丸柱による堀立て式架構において柱の転倒を防ぐために柱を内外両側から挟みつけて固定したものだった(京都:知恩院 御影堂での例(1)、(2))。 やがて構造的役割が衰退するにつれ、内法長押のみが残り、意匠材へと変化した。断面が台形をしているのは、製材木取りの際、木材の有効利用のため、板材、角材を切り出した残部を利用したものと考えられる。 | |
四畳半の畳は卍形に敷くものではない | 建築計画/一般構造/木造 |
武士に切腹をさせる際、中央に半畳の畳を裏返して置き、その周りに4畳の畳を巴型に並べて(=一般的に描かれる四畳半の畳の敷き方)中央の畳の上で切腹させた。 従って半畳の畳を用いる4.5畳や7.5畳といった部屋を作ることは原則として避けなければばらない。 やむを得ず半畳の畳を用いる場合は、鬼門、裏鬼門に当たる北東、南西の位置を避け、北西、南東の位置に配する(南西も「良い方角」とされているのでできれば避けたい)。 ちなみに実践研の「第11回 ひとづくりフォーラム」で見学した岩手県気仙地区の民家では、12.5畳の部屋があったが、畳の数は12枚であった。 すなわち、1.5畳分の大きさの畳が1枚使われていた。 |
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引き違いの扉はなぜ右側を手前にしなければならないか? | 建築計画/一般構造/木造 |
和服は、通常男女を問わず、相手から見て右の衽(おくみ)を左の衽の上に重ねて着る。逆の重ね方を「左前」といい、死者の装束に用いるため「不吉」とされている。 また「左前」には「経済的に悪くなる」という意味もあり、これらのことから引き違いの建具でも、縁起を担いで「左前」にならぬよう、「右前」となっている。 ちなみに続き間で、襖などが4枚建のような場合、(1)床の間のある「座敷」→(2)次の間→(3)廊下・縁→(4)外部空間という序列を考え、序列の高い部屋から見て一番右にある建具を一番手前に配置する。 |
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「床刺し」はなぜしてはならないか? | 建築計画/一般構造/木造 |
天井板の「目」や畳の縁(へり)を床の間に対して直交させることを「床刺し」といって忌み嫌われる。 床の間の原型についての定説は、伊勢貞丈(いせ さだたけ 1718-1784 江戸時代中期の幕臣・有職故実研究家)による、仏画を掛けて礼拝していたのが作り付けになったという「仏壇起源説」とされている。 この説に従って「床の間は神聖な空間」とされてきたようである。 |