建築・デザイン系 |
USBメモリ利用上のリスク |
大きな記録容量を持ち、小さくて軽く持ち運びに便利なUSBメモリは、今やパソコンのデータ格納用記録媒体として必要不可欠なデバイスとなっている。 しかし利用方法を誤ると、大損害を被るリスクを持ち合わせていることも知っておくべきであろう。
そのリスクとは・・・
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USBメモリは消耗品 |
USBメモリの寿命は3年からせいぜい5年であることをご存知だろうか? USBメモリは、ハード・ディスクやフロッピー・ディスクのように機械的な駆動部や摩擦部が無いことから半永久的に使用できるものと思われがちだが、USBメモリは、内部に電子を蓄えることができ、そのために電源が無くてもデータを消さずに保存ができる。 しかし、頻繁に使用すると劣化が進み、電子が蓄えられなくなり、保存したデータが消失してしまう。 書き込んだまま長期間そのまま放置したり、読み出すだけにしていると、データが自然に「蒸発」してしまう。 逆に大量にデータを書き換えると、書き換え回数の限界に達してUSBメモリの寿命が尽き、読み書きどちらも不能になってしまう。 USBメモリは、データを持ち運ぶための道具として割り切り、大切なデータは、信頼性の高い、固定的な記録媒体へ記録しておこう。 |
USBメモリに侵入するウィルスの存在 |
当ページの主要な読者であろう教育訓練の指導者諸氏の中には、ネットカフェを利用する人は少ないと思われるが、利用する確率の高い若い受講生への指導として知っておいて欲しい。
ウィルス対策が不十分なネットカフェなどのパソコンに無防備なUSBメモリを挿入すると、それだけでUSBメモリにウィルスが侵入し、そのUSBメモリを職場や自宅のパソコンに挿入すると、侵入したウィルスが実行され、さらに感染が拡大する恐れがある。 感染後は、ウィルスが不正なサイトへアクセスをして別のウィルスをダウンロードしたり、ユーザーの個人情報を流出させたりして被害を拡大させることがある。 |
USBウィルスの実態 |
USBメモリには、パソコンに挿入すると指定したソフトを自動実行する機能(「Autorun.inf」)を持つものがある。 USBウィルスで最も多いのが、この「Autorun.inf」を使って起動するもの(例:「MAL_OTORUN」など)である。
USBウィルスに感染したUSBメモリには、ウィルス本体と、そのウィルスを自動実行するように書き込まれた「Autorun.inf」がセットで保存される。 このUSBメモリをパソコンに挿入すると、この「Autorun.inf」を参照してウィルス本体が自動実行され、パソコンに感染が広がる。 |
USBウィルスへの対策 |
1. 自動実行を止める 2. ウィルス対策ソフトで検査、駆除 3. ウィルス対策ソフト付のUSBメモリ |
自動実行を止める・・・ |
・ [shift]キーを押しながらUSBを挿入すれば、自動実行の動作が止められる 受講生がUSBに格納して提出する課題などを集約するときには この方法が適しているであろう。 ・ Windowsの「自動再生」機能を常時オフにする |
ウィルス対策ソフトで検査、駆除・・・ |
・ フリーウェアのウィルス対策ソフト(「ClamWin
Portable(英語版)」など。 日本語化プログラムは別途)をUSBメモリにインストール
・ 外出先ではネット上のサービス(「トレンド・フレックス・セキュリティ」など)を利用する |
ウィルス対策ソフト付のUSBメモリ・・・ |
価格は普通のUSBメモリの5倍程度(1GBで\5,000ほど…2009年調べ)するが、格納されているデータの暗号化機能を備えているものがあるなど、事前設定が一切不要で誰にでも安心して使えるというメリットがある。 |
紛失などによるデータの消失、流出 |
ポータビリティに優れているが、それが仇になるのか、データの紛失や流出といった事故が後を絶たない。 当ページの主要な読者であり多忙を極める教育訓練の指導者である諸氏においては、「仕事」を自宅に持ち帰って行なう人も少なくなかろう。 しかし、情報管理の視点から見ても職員や受講生といった個人情報を含むデータを外部へ持ち出すことは絶対にあってはならない。
個人情報を含まない、例えば教材資料なども、その内容が優れていれば、そのデータを紛失し、それを拾得したものが思わぬ得をする、といったことも考えられなくはない。 結末がどうであれ、最大の損失を被るのは、USBメモリを紛失した本人である。 USBメモリの寿命のことも合わせて考えれば、 重要なデータはUSBメモリに格納するべきではない。 それでもどうしても持ち運ばなければならないようなら、USBメモリをネックストラップなどに取り付けて肌身離さずにいることである。 USBメモリは、ハード・ディスクなどの 固定的な媒体から別の固定的な媒体へ一時的に移動させるために使うものである と心得よ。 |