建築・デザイン系 |
盛り上がりを見せる瀬戸内国際芸術祭2013 | ||||||||||||||||||
2013.8 |
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3年に1度開催される瀬戸内国際芸術祭。 2013年は、季節の移り変わりを楽しみ、ゆったりした気持ちで島々を巡ることができるよう、春、夏、秋の3シーズンに分けて開催されており、夏会期(7月20日[土]〜9月1日[日]44日間)がスタートした。
開催地は、瀬戸内海の12の島(直島 / 豊島 / 女木島 / 男木島 / 小豆島 / 大島 / 犬島 / 沙弥島[春のみ] / 本島[秋のみ] / 高見島[秋のみ] /粟島[秋のみ] / 伊吹島[夏のみ])と/ 高松港・宇野港周辺である。 連日、多くの方が各島々の芸術作品を訪れ、大いに賑わいを見せている。 先日、まだ夏会期スタート直前ではありましたが、ゼミ生と一緒に小豆島の芸術を訪れる機会を得たので報告したいと思います。 小豆島の玄関である土庄港に着くと案内所前に「太陽の贈り物」チェ・ジョンファの大きなオリーブの大環が出迎えてくれました。また、街の中にも所々芸術作品が見受けられ、民家をそのまま作品にした「迷路のまち〜変幻自在の路地空間〜」は、建築物を使った芸術的表現として興味深いものでした。
「おおきな曲面のある小屋」(島田陽)は、杉樽のある醤油蔵と瓦屋根の風景に溶け込むよう、モザイク状に葺かれたガラス瓦といぶし瓦の屋根の下、一枚の布のようにやわらかな曲面の鉄板で設計されたトイレだ。 芸術的建造物として学生たちの興味は尽きないようでしたが、排泄も忘れてません。
「オリーブのリーゼント」(清水久和)は、オリーブにも似た顔型の白い立体に、「強さ」や「若さ」を感じさせるリーゼントのヘアスタイル。 オリーブの木々の中にもモノクロの造形物が立ち現れることで、畑の中に異次元の世界が出現し、神々しいまでの空間が地域を象徴する場として生まれ、モノを介して人と人を繋げるという、デザインの根源的役割を見つめなおした作品ですが、可愛さが好評でした。
「スター・アンガー」(ヤノベケンジ)は、太陽のような光り輝く球体の上に、水の神様である龍が鎮座し、叫びを上げる姿は会期中の坂手港のシンボル・モニュメントとなっています。
「ANGER from the Bottom」(ビートたけし×ヤノベケンジ)は、島にある古井戸の底に潜む巨大な地霊的化け物が、時折現れて人々を脅かすという寓話的な彫刻作品です。 決まった時間にしか現れないので知らないで行くと結構待たされます。 でも現れた時のインパクトは強烈なものでした。
「火のないところに煙は立たず」(越後正志)は、かつて島で盛んだった農作物から、土地の記憶を思い起こさせる試みです。 廃校の講堂に展開され独特の雰囲気を放っていました。
「夕焼けハウス:言語が宿る家」(ジェームズ・ジャック)は、建物自体に住民の思い出や夢、希望や葛藤を込め、サイトの復興をもくろむ作品です。 内部では、作者のビデオが放映され若い女性達が熱心に見入っている姿が印象的でした。
「小豆島の光」(ワン・ウェンチー)は、棚田に囲まれた中山地区の谷間に、地元産の約5000 本もの竹を組み、巨大なドームを構築。鑑賞者は内部を回遊することができる。 その存在感は、周囲の景色を一変させる。 また、夜はLED 照明による光のイルミネーションで彩りを添える作品で絶対見ておきたいと頑張って回ったが、内部から見る光の差し込み方が印象的でした。 鑑賞後5時となり本日の鑑賞は全て終了となりました。
今回は、建築物と関わりが深い芸術作品を中心に回ったが、小豆島一島でも1日で回り切れませんでした。 他の11島の作品のことを考えると興味は尽きず、瀬戸内国際芸術祭の奥の深さを垣間見ることとなりました。 何とか時間を見つけて、残りの作品を見て回りたいものです。 |